旋盤加工をわかりやすく!機械設計者向け基礎講座

この記事は、機械設計1年生向けに書いた記事です。旋盤とはなんぞや?と思う方に役立ててもらおうと思い書きました。新人研修用として読んで頂けたら幸いです。私が昔新人さんに教えた内容を書き起こした内容となっています。



旋盤加工とは

旋盤加工ってわかりますかね?丸モノと呼ばれる部材の加工ですね。旋盤加工では、刃物が固定でワークが回ります。イメージとしては、陶芸の電動ろくろのようなイメージです。粘土が回って、手は固定ですよね。粘土がワークで手は刃物に相当します。ちょうどあんな感じです。

ところで、工作機械の旋盤はわかりますか?
こんなヤツです。

旋盤も汎用とNCとあるんですが、違いわかりますか?

 

手動で動かして部品を加工する汎用旋盤と呼ばれるタイプとNCコードを読み込んで自動で部品を加工するNC旋盤があります。汎用旋盤は工業系の学校でよく見かけますね。手動式のものです。

 

NC旋盤はプログラムを組んで、自動で動かします。NCとは、Numerical Controlの略で数値制御って意味です。NC旋盤の特徴として、タレットと呼ばれる旋回式の刃物台とチャックと呼ばれるワークを掴む部分があります。

ワークを回転させて加工することから旋盤のワークは丸モノと呼ばれるんですね。ちなみに、フライス加工とは旋盤加工とは真逆で、ワークが固定で、刃物が回転します。設計者はまずはじめにどちらの加工で部品を仕上げるのかを頭で考えて設計をはじめないといけません。

ここ、重要です。

汎用旋盤もNC旋盤も装置の構成はほとんど同じです。
汎用旋盤を例に簡単に、装置構成の説明をしておきましょう。

・主軸台

ワークを回転させるための駆動系の部位を主軸台といいます。
主軸の回転速度をRPMという単位で表し、回転数を制御します。

・心押し台

ワークを固定するチャックとは反対側にある先の尖った部位をいいます。
ワークの端を押さえる台を心押し台といいます。

旋盤は片側固定になるので、長尺になればなるほど先端が振るんですね。
その触れをなくすために、心押しでワークの先端を押えて振れを抑えるんですね。

心押し台もストロークで動きますし、心押し軸も出入りができる構造になってます。

・往復台

固定した工具と台ごとワークに近づけていく部位をいいます。
刃物台と思ってもらえればいいのですが、
ワークまでの距離をアプローチして逃がすといった往復運動をするので、
正確には往復台になるのでしょう。

刃物台だと工具の固定だけになりますからね。

・送り装置

分け方として細かいのですが、往復台である程度ワークの近くまでアプローチして、
実際にワークを回転させて送り量の調整を行なう部位を送り装置といいます。
動く範囲が小さく、0.01mm以下の精密な範囲で移動させることができます。

・ベッド

旋盤の本体を構成し、案内面を支持する台をベッドといいます。
よく工作機械全般でベッドといえば、この部分を指します。

・刃物台

旋盤の切削工具(バイト)を固定する部位のことを刃物台といいます。
刃物台は往復台と一緒に移動し、切り込み方向へ移動させます。

・チャック

旋削加工物を取り付けて固定する部位です。主軸にセットして使用します。
チャックの爪でワークを挟み込む機械式のものが多く使われています。

三つ爪と呼ばれ、三点で支持することで円の中心が出やすい構造となっています。

装置の解説については、ざっくりこんなとこでしょうか。

実際に使ってみるとすぐに理解できると思いますが、設計する立場では、どんな加工ができて、どんな形状が作れるのかといった情報を常にアンテナを立ててキャッチすることです。

こういった加工情報が古ければ、あなたの設計はいつも古い情報を元にした、古い設計となります。気をつけるようにしましょう。


旋盤で削れる加工の種類

・外経加工

・内径加工(中ぐり)

・テーパー削り

・端面削り加工

・突切り加工

・ネジ切り加工(外径・内径)

大まかな加工としてはこんな感じですかね。

 

最近の旋盤ではこんな加工もできるみたいですね。

提供:Mazak Integrex J200-Drve Unit

もはや旋盤という領域を超えすぎて物凄いことになっています。


旋盤工具の種類

上記で説明した加工に使われる工具形状を紹介します。と思いましたが、私はそれほど工具形状に詳しくないので、割愛します。次にご紹介しる工具メーカの公式サイトを見てもらったほうが早いと思います。

・外経加工

・内径加工(中ぐり)

・テーパー削り

・端面削り加工

・突切り加工

・ネジ切り加工

とにかく、旋盤で使われる工具の種類は無数にあります。カタログを見ているだけでも勉強になります。また、工具形状はかなり高度な設計がなされています。あの工具形状を決めるのに何百回と試験を繰り返しているそうですよ。




旋盤工具のメーカー

メジャーどころの工具メーカです。これだけでも相当の数の工具を見ることができます。

・京セラ
公式サイトへ行く

・三菱マテリアル
公式サイトへ行く

・OSG
公式サイトへ行く

・big(大昭和精機)
公式サイトへ行く

・タンガロイ
公式サイトへ行く


最新のNC旋盤

・オークマ(公式サイト

・マザック(公式サイト

・DMG森精機(公式サイト

どのメーカも旋盤とかフライスとかの線引きがなくなって、行っちゃてる感じですね。また、今の最新型はここまで言っちゃってるんですねー。凄過ぎる。




機械設計に必要な旋盤加工の知識

やっとここからが本番なんですが、丸モノ部品を設計する上でいったいどこに気をつけなければいけないのか、解説していきたいと思います。

〔丸モノ形状の設計で注意すべきこと〕

1.長尺部品かどうか

長尺部品ならばセンター穴が必要です。図中にセンタ穴を記載しましょう。

2.旋盤加工だけで完結できるのか

フライス工程が必要な設計かどうか。できるだけ、旋盤工程だけ完結できるといいですね。

3.ネジ切りの逃がしはあるか

外径でも内径でもねじ切り加工には逃げ溝が必要ですよ。

4.焼入れが必要か?材質は正しいか

丸モノ部品はたいていベアリングとかシールとか入る設計です。生材でよいのか、焼き入れが必要か判断してください。
焼き入れ部品の場合は、材質にも気を付けましょう。
焼き入れが分からなければこちらの記事をどうぞ
焼き入れ焼き戻しとは?メカ屋が知っておきたい最低限の熱処理知識

5.寸法公差、幾何公差は妥当か

h公差かgか、fか、H公差かGか、Fか、公差をあまくできるならコストダウンできますよ。
真円度や振れ公差は妥当ですか?表面粗さとの整合性は取れてますか?

6.逃げ溝Rはバイト形状を確認したか

角部に付けるRは0.1ですか、0.3ですか?バイト先端形状を確認して。

7.加工の基準面を決めたか

これは超基本ですよ。基準面が分からなければこちら記事をどうぞ
【機械図面】基準面を決めて寸法を引く理由

8.回転部材のとき、偏心しないか

丸モノは基本回転体の部品として使われます。形状が非対称だと偏心しますよ。

9.シール溝の寸法公差は正しいか

シール溝はメーカごとに公差が違います。ここ間違うとシールの機能が損なわれますよ。

 

以上が注意点ですが、おそらく追記があると思います。思いついたらまた書き加えます。後半疲れてしまいまい説明が雑になってしまいましたが、新人君も疲れたと思いますので、今日はこのぐらいにしておきましょう。


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