目次
プロフィール
石川県在住の40代男性
前職は工作機械メーカーの設計部所属
妻と娘2人の4人暮らし
残業の日々で給料も上がらないことに不満(35才時)
転職サイトを利用しつつ、転職先を探す
業界違いの同職種の会社に転職し年収60万アップ
簡単な自己紹介
私は地元の工業大学の大学院(修士課程)を卒業後、工作機械メーカーに就職しました。小さいころからラジコンやプラモデルが大好きで、何となくものづくりに関わる企業を探していたところ、大学の先生の勧めもあり入社できました。
入社した会社は地元では知名度もあり、会社の規模は中小でしたが、優秀なスタッフが沢山いました。特に開発部は花形部署でエリートだらけ、頑固なおじさんだらけ、といった印象でした。
入社したての頃はとにかく覚えることが多く、5年くらいしてやっと余裕が出てきた感じでした。結婚して子供もできて、ようやく落ち着いたのが7,8年目くらいだったと思います。
転職前の職種や業務内容
所属していた開発部は大きく2つに分かれており、新機種を開発する部隊と量産機をお客様ごとにカスタマイズする商品開発部隊に分かれていました。 私は新機種を開発する部隊に所属して、機械設計を担当していました。新機種設計の機械屋は開発部の中でもやることが多く、新機種開発のコンセプトから徐々に方針を決めていき、1つずつ会社役員の同意を得なければなりませんでした。 はじめは部分ごとに仕事を任され、それがユニット単位になり、軸単位になり、切削油タンクやスパイラル関係、エアー回路、油圧回路を経験し、装置全体を取りまとめるリーダーになっていきます。その他にも、新機構など特許申請や品質工学を使った実験・検証など新しい試みなども同時に行っていきます。 研修時には主軸と呼ばれるスピンドル組立も行い、本機組立とともに経験しました。 その他にも、機械設計はモデル解析も必要で、剛性解析、振動解析、モーダル解析、固有値解析といった機械の精度に関わる問題を解決するスキルも求められました。 海外支店もあったため、英会話のEAONにも当時通っていました。海外に開発部を作る予定があって、若いエンジニアはほぼ全員TOEIC550点以上が会社から求められました。 10年間で私はこれらすべてをこなしてきましたが、さすがに心も体も疲れていたと思います。せめてお給料がもらえればと思っていましたが、世間を知らなかったので当時は疑問に思いませんでした。 ちょうど組合の3役にならないかとお声がかかり、社外の人たちと交流を持つようになったタイミングである事を知りました。それは、他の会社と自分の会社の待遇の違いについてです。そのときはじめてお給料がこんなに安いのかと知ることが出来て、不満を持つようになりました。
転職先の見つけ方や工夫した点
不満を持つようになってからは、すぐに行動に移しました。私は当時結婚をして子供もいましたので、会社を辞めることはできませんでした。そのため、転職サイトにいくつか登録しました。ビズリーチ、リクナビ、DODAに登録しました。ビズリーチは高年収層、ミドル層の転職に強いと噂で聞いており、メアドの登録だけですぐに求人案内を見ることができました。 地元に残りたいと思ったので、自分でもちょくちょく調べながら、転職サイトで求人案内がないか見てみるという繰り返しを行いました。
転職先に求めたもの
35歳で転職を考えたため、全く畑違いの新しい分野への転職は不安がありました。そのため、以下のような条件を提示して転職先を探してもらいました。 ・機械設計ができる企業 ・現状のお給料より上がること ・勤務先は地元石川県で通勤時間がかからない範囲 地元優先で転職先を探してもらったので、知名度や会社の規模などはある程度把握できます。あとは面接などでどこまで自分が納得できるかで決めようと思っていました。結果、すべてにおいてクリアできる上場企業が見つかり、転職することが出来ました。
転職した後のメリット・デメリット
転職後のメリット
機械設計で採用してもらった
お給料が上がった
勤務地が前より近くなった(通勤時間50%以上短縮)
上場企業に転職できた
中小企業から転職後のデメリット
本社からの出向か関連会社の配属かが運命の分かれ道
昇給・昇格はすべて試験の結果で決まる
上のご機嫌取り上司の割合が多い
機械設計の立場が良くない
仕事に関しては、設計の対象物が変わったぐらいなのであまり戸惑うこともなく、そのまま即戦力として仕事を進めることができてよかったです。お給料も1年目で60万ほど上がり助かりました。会社の規模も大きいため不安な材料はありませんでした。 転職後のデメリットを詳しく知りたいと思いますので、詳細に紹介していきます。
本社勤務か関連会社勤務かで運命が変わる
これは中小企業ではなかったことですが、規模の大きい会社では本社勤務か関連会社勤務かで運命は大きく変わります。すなわち関連会社勤務になると出世が遅れると思った方がいいです。私は関連会社勤務でしたので、そもそも会社の立場が弱いため、何かと我慢を強いられることが多かったです。
昇給・昇格はすべて試験の結果で決まる
これが一番驚いたことですが、昇給や昇格は普段の仕事の上司評価できまるのではなく、試験があるということです。設計ではなく、TOEICとかではなく、社内に関わる試験です。自社オタク度を図る試験だと思ってください。これには数年、納得できず上司とぶつかりました。
機械設計の立場が良くない
工作機械メーカーでは機械設計が主役でした。ですが一方で畑が変わると、営業やソフト屋が主役になったりします。営業は数値で評価されやすい立場ですし、ソフト屋はソフト頼みの装置が多いとそうなります。 このようにデメリットをいくつか紹介してきましたが、メリットを上回るほどのことではありません。ある程度、我慢できる範囲だと自分に言い聞かせています。 転職する前の面談で直接は聞きにくいものは、転職エージェントを通して確認しておくといいと思います。
年収の推移
年収の推移ですが、転職前と後ですぐに60万ほどアップしました。これはかなりうれしかったです。ただ、面談の時には嘱託から正社員にすぐにならせますという約束をしていましたが、蓋を開けてみると話が違っていました。筆記試験を受けて合格しないと正社員にはなれないという内容でした。 3回目でようやく試験に合格し正社員になることができました。それがグラフの横ばいの理由です。 また、嘱託社員の間は有期社員扱いのため、毎年更新が必要となりますし、社員と同じ仕事量をこなしていてもお給料やボーナスは正社員の人よりも少なくなります。モチベがだださがりになります。 ただ、正社員になった後は緩やかですがお給料は上がっていきますし、役職の試験に合格することで手当ても入ってきます。なので、今は少しずつ理想に近づいています。
転職を考えているエンジニアへのアドバイス
まずは今いる環境の常識は当たり前の常識ではないと思った方がいいです。他社の情報を常にキャッチして比較してみることがはじめの一歩になります。知らなくてもいい、余計な情報もあるかもしれませんが、それはそれで自分の経験として役立つと思います。あとから取捨選択すればいいだけの話です。 やはり今自分が置かれている環境に不満を感じてしまうとだんだんと負の思考になってしまうので、それでも許せる範囲なのかどうかはしっかり見極める必要があると思います。不満は転職してもあるはずなので、許容範囲かどうかで決めるしかありません。許容範囲外であれば、勇気をもって虎視眈々と準備を進めていきましょう。 また、転職活動は、自分一人では時間がかかりますし、不安も多くなると思います。自分が働いていても勝手に情報をもらえる便利な転職サイトがあるので活用しないと損だと思います。リクナビNEXTは会員登録だけですので、多数の案件を紹介してもらいました。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
コメント