2D-CADとは?機械設計のCAD図面ってどんなもの?

機械設計には欠かせない2D-CADについて紹介します。2D-CADは機械設計にとってどのくらい重要度が高いのか、また日常業務の中でどのくらいの頻度で使われ、そのスキルはどの程度重宝されるものなのかを紹介しています。


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目次

2D-CADとは

機械設計における2D-CADとは、部品図や組立図、資料図などを作成するときに用いる
お絵かきソフトになります。

昔はドラフターといって、机にスライドできる縦横の定規を使って手書きで書いていましたが、パソコンの普及によりデータ化され、CADが使われるようになりました。
drafter

 

2D(2次元)と呼ばれる理由は、まさにXY軸の平面を使って立体図を書くことから
そう呼ばれています。2次元では立体図を表現できないため、
三角法という技法を用い、機械設計者は立体図を書いています。
fig4-1

2D-CADははじめて使う人にとってとても難しく感じるかもしれませんが、
これはあくまで”ツール”を使うことに過ぎません。
これは3D-CADだろうが、他の解析ツールだろうが同じことが言えます。

 

技術者にとって重要なことは、”ツールを使いこなす”ことではなく、
正しい図面を書くことや、相手に明確に意思を伝える図面を書くことが重要なのです。

 
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今は3D-CADが主流だけど、2D-CADは使わなくてもいいの?

経済産業省の調べによると、1990年代に急速に3D-CADが普及されたというデータがあります。
今現在だと、3D-CADを使っていない企業の方が少ないかもしれません。

3D-CADの特徴は、点や線の表現ではなく、立体物を画面上で表現できることや、
一度作成した立体物をその後解析データに流用できることです。

 

また、デザインレビューや報告会などでも立体的に装置を見せることができるので、はじめて見る人もその構造を十分理解することができます。もちろん、そういった利点を活かし、設計部門だけに留まらず、営業部門への販促資料としても用いられます。
 
上流工程で費やした時間を無駄なく下流工程へと引き継ぐことができる有力なツールとなっています。

 

ここで、1つ疑問が生まれると思います。
「だったらはじめから3D-CADを使って習得してしまえばいいんだ」

 

そうですね。今から設計部門に入って3D-CADを使いこなせば、大は小を兼ねるではありませんが、2Dも3Dも習得できることになります。

 

ただポイントは、部品を製作する段階ではほとんどのケースで2D-CADで図面を書きおこして業者へ渡す作業が必須だということです。

立体物を2Dの図面に落とす場合は正面、上面、左(右)面に展開して部品の材料や表面処理、塗装を決めて、寸法や寸法公差、幾何公差、
注記事項などを記載していきます。

 

ここで見落としてしまことがあります。2D-CADでは、立体物を三角法に落とし込む場合に自分の頭の中で展開図を考え、実線や陰線を決めていきます。一方、3D-CADの場合だと、この落とし込む作業が自動で行われるのです。

 
一見、設計者としてはいちいち考えなくても良いので、楽に思われるのですが、この”いちいち頭で考える”という作業をするかしないかは大きな違いがあります。

 

ここで機械設計者としての基礎が養われるのです。
自分の基礎があって3D-CADの展開図を読み取ることと、
自分の基礎がなくて3D-CADの展開図を読み取るのでは、
数年後、設計者としての実力に大きな差が生まれます。

 

CADはあくまでツールなのですが、ツールの特性上、
設計者の技能を育てなくしてしまう問題があるのです。
展開図の自動も善し悪しですね。

なので、2D-CADが使えることは全然胸を張っていいと思います。

 
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2D-CADが使えても転職のときには評価されない?

ここで、転職を考えたときに、2D-CADが使えても今の時代評価されないのでは?という疑問にお答えしようと思います。
 

結論から言えば、2Dも3Dも使えたほうがいいのですが、今の時代でも2D-CADしか使っていない企業もたくさんあります。

 

例えば、装置自体が複雑ではなく、簡単な形状の装置メーカーやアルミフレームを構造体に使っていて、図面はほとんどカバーだけみたにな装置メーカー、多少複雑でも2D-CADで対処できる装置メーカーなどです。

 

転職したい企業がバリバリの3D-CADを使っているところだと、2D-CADを使えてもアピールは難しいのですが、そうではなく、まだ2D-CADしか使っていない企業であれば、全然アピールできます。

 

もし、3次元を使っている企業に転職したい場合でも
「3次元ツールは使っていませんが、すぐに慣れます」ぐらいの応対をして、
「これまでは流用設計だけでなく、新規開発も設計してきました。」と
話をずらすと良いと思います。

 

”ずらす”というのは”逃げる”という意味ではなく、
技術者本来の能力はツールを使いこなすことではないですよねという意味です。

自分の能力は別のところにあって、そのスキルを御社で発揮できるとアピールすると良いと思います。

 
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この記事を書いた人

福井県生まれ。地元工業大学大学院修士課程を卒業。大学卒業後は、工作機械メーカーの開発部に配属になり、10年間、設計、組立、加工、基礎評価、検査について携わり、その経験をもとにしたメカ設計のツボWEBサイトを立ち上げ。

現在は転職し、衛星、医療、産業機械、繊維機械など多くの設計に携わって、機械設計のノウハウを皆様に役立ててもらう情報発信メディアの構築を行っています。

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